質問です。
45歳で早期退職して退職金を1千万円貰えるとします。
あなたは振り込まれたその日にオルカンを1千万円注文しますか?
(年齢的に60歳ではそもそも株100%投資に異論もあるはずなので45歳の設定)
答えがノーの方に聞きます。
えっ、それが出来ないのにNISAで年初一括投資して360万円(x5年=1800万円)をホイホイ貯蓄からオルカンやS&P500の投信に突っ込むことは平気なんですか?
株だから秋にはドボンして半減してる可能性もゼロではないのに?
年末から年始はブログやSNSでNISAに年初一括投資したとの報告が溢れるので世の中の多くがこのような行動を取っていると誤解する人もいるかも知れません。
そもそも5年に跨り年初に360万円のキャッシュを用意できる人の方が激レアであることを忘れてはなりません。
では、用意できるなら年初一括で投じた方が良いのか?
正解はないと思います。
少なくとも退職金1千万円を直ぐに突っ込めない人がNISAの年初一括なんてやらない方が良いと思います。
株価の右肩上がりを前提にした場合に合理的には大資金を早期に投じた方が有利なことは単純化した算数の中では当たり前です。
でも、45歳で貰った退職金1000万円を全額株式で運用する予定でも直ぐに一気に突っ込めないのはその後に大きく下げた時が怖いし後悔するからですよね。
その怖さは恥ずかしいことではなく投資をする上で持っていなければならないメンタルだと思います。
「勇気」と「蛮勇」と「向こう見ず」は質が異なります。
年初一括投資を避けるのはリスク回避なので、年末になってから年初一括ならもっと儲かったと悔やむのは役に立たない結果論です。
確率的には株価が年末より年始の方が安くて当たり前で、逆になるということは年間騰落率がマイナスの時だけですが、これは数年に1度は確実に訪れます。
所詮1年の内で360万円をどう投じるかの違いなので、単純化した図式の中で確率的には有利でも敢えて年初に全てを突っ込む必要はないというのが私の考え。
私が年初一括をやるとすれば確実に株価が割安に見える時だけでしょうね。(見えるのと正しく判断できることも別物)
それと年初一括投資に煽られる人に指摘しておきたいのは、その資金を全て貯蓄から捻出して新規投資している割合なんてレアケースと思えること。
多くは特定口座や旧一般NISAで売却した資金を投じて、結果新NISA口座にロールオーバーしているだけの人が多数に見えます。
売りと買いを同時に行わなくても、1年の内に売却を徐々に進めて新NISA資金を用意している人が多いと思われます。
この場合には売った時とほぼ同水準にて新NISAで買い付けられれば満足なので間を空けずに価格変動を抑えて年初一括で投じることは合理的ですね。
私もそうですが、旧一般NISAをやっていた人は簿価600万円分を23年から5年間で売っていかなければならず、当然真っ先に新NISAへ移すことを考えます。
最長10年運用で時期も良かったので旧NISAの評価額が1000万円を越えていることも普通です。
この場合は新NISA資金の半分以上は単に旧一般NISAで売却した非課税資金で賄えるし、足りない分は特定口座でも売却して新資金での投資額はゼロなのに「年初一括投資しました!」という声も多数あると推測するべきでしょう。
この場合は、株や投信を保有している口座を単に変更しただけで年初一括360万円投資のリスクなんて何も取っていないのです。
年初一括はリスクだから成長投資枠も毎月積立でなんて言う気は更々ありませんが、正解はありません。
他人のやることに焦って無理して毎年360万円を埋める必要もないし、自分のぺースと考えで生涯非課税枠1800万円分を有効活用しましょう!
0 件のコメント:
コメントを投稿